他者に尽くすことを仏教では利他といいます

仏教は自分と他者の幸福のため(自利と利他。悟りがその最高)、また現在だけではなく、未来の幸福をめざしています。 そのために、自分のみならず、他者に尽くすことは尊いこととしています。 この他者に尽くすことを仏教では利他といい、布施に含まれます。 布施の範囲は広く、いわゆる財物を与えることもあれば、危難を救うこと、安心を与えることも入りますし、礼儀正しさや看病まで入ります。 また、行動のみならず、言葉による布施(柔和な言葉を語る。励ましなど)もあり、よい心を持つことも布施になります。 ありとあらゆる他者のためになるものは、すべて布施であり、利他といえます。 では、今回のような新型コロナウイルス蔓延下での「他者のために尽くす(利他)」とは、直接の対応をされている医師や看護師など医療関係者の他の、一般人である私たちは、どう考えるのでしょうか。
《新型コロナイウルス蔓延下で「密室・密閉・密接を避けることや手洗い、うがいを励行したり、出歩かないこと」等自体が自利利他になり、他者に尽くすことになります》
 新型コロナウイルスについて、「密室」や「密閉」「密接」を避け「手洗いやうがいを励行し、出歩かないように」等という要請を受けて、法的な規制もないまま多くの人が自発的にこれらに従いました。 その結果、日によって増減はあり完全とはいえないまでも、新型コロナウイルスの蔓延は一時の勢いを失ったようです。 つまり、一人一人がとった「密室」「密閉」「密接」を避け「手洗い、うがい、出歩かない」等の行動が、新型コロナウイルスの蔓延の勢いを弱める大きな一歩になったことは疑う余地はありません。 これらの日本人の行動は仏教的にも正しいことで、一人一人が利他、つまり他者に尽くし、社会に尽くしたことに他なりません。
日本人の行動は、自信をもって良いと思います。

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